素直になりなよ。



『偏頭痛って頭撫でるとよくなるの?』


『まぁ、直接効果があるわけではないけど、リラックス効果があるとか言うし、実際、楽にはなるわよ。』



少し前に姉貴が言っていたことを思い出して試してみる。


「…松田さん、偏頭痛持ちなんでしょ?」


「うん。そうだけど…なんで知ってるの?」


「天気の悪い日の松田さん、後ろにプリント回す時に、いつも『頭、痛い』って顔してるから分かる。」


大人しく頭を撫でられる松田さんを見て、ドキドキしながらまた話し掛けた。


「こうやって撫でられると、案外、痛みが楽になるでしょ?」


「うん、そうだね…。ありがと……。」


「いいよ、ゆっくり休みな。」


松田さんがゆっくりと目を閉じた。

キレイな寝顔。

相変わらずぷっくりした下唇が艶っぽくて変な気分になる。


「…おやすみ」


そう言った時にはもう、静かに寝息を立てて眠ってしまった。


松田さんの気持ちよさそうな顔を見ていると、自分まで眠くなってきた。


――すげー落ち着く…


そう思った瞬間、いつの間にか俺も眠りについていた。