布団を被って目を瞑っていると、「失礼しまーす」という声が聞こえ、その後、カーテンがスライドする音が聞こえた。
ベッドの左半分が軋む。
――誰だよ。先客いるっての。
布団を少し捲って誰が来たのかを確認する。
――え!?松田さん?そっか、今日天気悪いから…
頭を抑えながらゆっくり体を布団に入れてきた。
――ちょっと揶揄ってやるか。
「へぇ、松田さんって結構、積極的だね。」
「え!?…っつ!!」
振り向いた瞬間、松田さんが手を頭に当てて、痛みを堪えるような表情をした。
そして、そのまま頭を抱えながら俺の方を向いた。
「ご、ごめんなさい!頭が痛すぎて、全然気付かなかった…。あっちのベッドに移動するから待って――」
「いいじゃん別に。一緒に寝ようよ。」
「はい!?」
みるみるうちに松田さんの顔が真っ赤になっていった。
――反応おもしろっ。
今まで付き合った女子とは全然違う。
新鮮な反応に思わず笑いながら「かーわいっ」なんて言ってみる。



