素直になりなよ。


ある月曜日の朝。

曇天の中、朝練をした後、気分が悪くなった。


着替え終わってベンチに座って休んでいると、中野から声を掛けられた。


「おい、大丈夫かよ、五十嵐。土日、また眠れなかったん?」


「うーん…そうだな。」


「大丈夫か?最近授業出ない日も増えてるし。先生に、またサボりかって言われても、俺がフォローするのも限界になってきたぞ。」


「うーん…わりぃな、いつも。フォローとか気にしなくて大丈夫だから…。」


「とりあえず保健室で寝とけ。ついてくから。」


「や、いいよ。ホームルーム遅れるぞ。一人で行けるから。」


そう中野に言って、保健室に向かう。


中に入ると、保健師の久保田先生の机の上には『会議中』の札が立っていた。


フラフラとベッドに向かい、横になる。


――今日、坂本のディフェンスよかったなぁ…。3年の小野先輩のシュートは…


ベッドに横になっても、サッカーのことを考えてしまい、全然休めない。


――はぁ…きっつ。