「いいよ」
理久斗くんが振り向いた。
「下着も濡れただろ、乾燥機かける?」
「大丈夫、ありがとう」
理久斗は制服のズボンを脱ぎ始めた。
「ちょっと、脱ぐなら言ってよ」
愛菜はうしろを向いた。
「脱ぐ(笑)」
「遅いよ(笑)」
理久斗くんも体育ジャージを履くと浴室乾燥をしてくれた。
「ジャージで帰ってもいいのに」
「スカートがシワになるだろ?」
凄く気がつくな、私なんて全部お母さんにやってもらってるのに……
「家に連絡しとく?昼も一緒に食べよ」
「あっ、うん」
愛菜はリュックからスマホを出すと家に連絡を入れた。
リビングダイニングに通されてソファに座っていた由依に話しかける。
「突然お邪魔してごめんなさい。三木愛菜といいます」
「妹の由依です、もしかしてお兄ちゃんの彼女ですか?」
急に確信をつかれて愛菜は真っ赤になった。
「一応……そうです、はい」
由依ちゃんは少し機嫌が悪そうだった。
いきなり訪ねてくる彼女だもんね、そりゃそうよね
「由依、メシ出来たよ、愛菜もこっち来て座って」
「はーい」
由依ちゃんはソファからダイニングテーブルに移動した。
テーブルにはナポリタンが置かれていた。
「愛菜ここどうぞ」
「うん」
由依ちゃんの正面に座った。



