「好きな人がいますじゃなくて、付き合ってる人がいますって言うべきだったかなぁ……でもなぁ……愛菜の気持ちがわからないから」
「どっちでも断ったんだから同じじゃないの?」
「同じ?……、道場から出ようか」
裏の藁打ちの場所に移動した。
「昨日、僕がどれだけ嬉しかったかわかる?」
「うん、泣いたから」
「情けないよな、愛菜が手を繋いでくれただけで嬉しくて泣くなんて、男らしくないよな」
「そんなことないよ」
「ハグしたい」
「いいよ」
理久斗くんはギューって抱きしめてくれた。
「ありがとう」
愛菜から離れた。
「もういいの?」
「僕がこの先どうしたいかわかる?愛菜の気持ち次第なんだ」
「私?」
理久斗くんは頷いた。
愛菜のスマホのバイブがなった。
「あっ、今日の片付けに入るって、凛華からだ」
「うん、行っておいで、僕は先に帰るね」
「え?一緒に帰らないの?」
「僕はもうする事はないから……じゃあ宿題ね」
「宿題?」
「ハグの先に進むためには、って考えてみて」
「わかったら返事頂戴、明日は弓道場にほとんどいるからさ、明日わからなかったら、明後日答えを教えるよ、じゃあ、道場閉めてくるから、バイバイ」
愛菜は走って卓球場に戻った。
「おかえり、会えた?」
「うん……でも」
「ん?」



