「愛菜?」
慌ててスマホを切る。
「何でここに?」
理久斗くんが走ってきてくれた。
「あの、凛華が行ってきなよって言うからLINEしたの、もしかして明日の準備で弓道場かなって来たんだけど……ごめんなさい、覗くつもりはなくて」
部室の向こう側は弓道場になっている。
「うん、準備しようかなって……行く?」
愛菜は頷いて理久斗について行った。
明日の一般開放日には子供もいるかもと理久斗くんが景品を用意してくれていた。
「景品並べよっか(笑)」
「うん」
「……明日、同じ時間に当番になれなくて残念だった」
「うん」
沈黙がしばらく続いた。
「さっきのはその……告白?」
愛菜は思い切って聞いた。
「見てた?」
「ちょっとだけ、話は聞こえなかったけど」
「そっか……」
理久斗くん何も話してくれない……
「えっと……断ったんだよね?」
「……何ていえばいいんだろ」
断ってないの?
「好きですって言われて、僕は好きな人がいるからごめんなさいって言った……」
ほっ、断ってる。
「だけど……」
えっ?
「巻き戻したい……」
「どういう事?」
「漫画みたいに、時間が戻ればいいのに」
「わかんないよ、何でよ、私と付き合ってるでしょ」
「だからだよ」
理久斗くんは時々わからない時がある。



