美しいのは生まれ持っただけ。
 優しさは偽善。
 平等なのは事なかれ主義の証。
 優秀なのは先生に取り入っているから。
 可愛げがないから婚約破棄される。

 

「そんなことを言われているのね……」

「うん。一応耳に入れておくわね。噂の元は上級生だってわかっているけれど――」

 あぁ。私たちの爵位より上の方達なのね。

「コリンズ子息は残念な結果になったけど、令嬢達からは人気があったみたいだし、殿下とお話をするところも気に食わないみたい」

 コリンズ子息は気さくに令嬢達と話をしていたみたいですし、面白くない方達がいると言うことですわね。殿下はその身分の高さやお顔の良さから人気があるのでしょう。しかし学園で令嬢と話をしているところを見かけた事がありません。だから……

「そう。ありがとう、分かったわ。教えてくれてありがとう! 学園に復帰したら気をつけるわ」

 笑顔でセシリーを見送ったらまた来るわね。と言ってくれたので楽しみだった。
 
「そろそろお父様がお帰りの頃ね、ダイニングへいこうかしら」

 セシリーが帰って暫くたってメイドに声をかけた。そして部屋を出るとハリスとパティと廊下で会いました。

「お姉様、大丈夫?」

 パティが飛んできてくれた。

「ゆっくり歩けば大丈夫よ、ありがとう。パティ」
「姉様、僕の腕に捕まって」

 身長が伸びて来たハリスが腕を貸してくれました。

「ありがとう。ごめんね」

 二人とも私が家にいてくれるのは嬉しいと言ってくれて良く部屋に様子を見に来てくれる。可愛い弟と妹がいて幸せね。

「姉様、学園は楽しい?」

 ハリスは何か感じたのかそう言って来ました。

「えぇ。楽しいわよ。ハリスとパティは来年入学でしょう? 友達がたくさん出来ると良いわね」

 学園は最高で五年間いることが出来る。まだ勉強が足りない場合はさらに上の勉強をする事も可能でその際大体の人は得意な分野で学者になったりするけれど女性は居ない。
 私達の学年になると結婚の為に学園を辞めることになる生徒もいて、その際はテストを受けて卒業という形になります。その家その家がありますから、みんなで卒業というのは難しいのです。