「お城……ですわね」

「そうだな。ざっとうちの倍くらいはありそうだな」

 お父様はそう言いながらも普段と様子は変わりませんのね。公爵家の皆さんと顔合わせという事で両親と一緒に公爵家に来ました。

 レイ様のお父様は威厳のある風格で、お母様は優しそうな方でした。
 
「グレイが嫁を連れてくるというから、朝から楽しみにしていたんだ。モルヴァン伯爵、夫人、今後は親戚としてよろしく頼む。モルヴァン嬢はよく決心してくれたな……ありがとう。私たちができる事はなんでもするから気にせずに頼って欲しい」

 ……決心?


「リュシエンヌちゃんのような可愛い子がグレイのお嫁さんに来てくれるなんて……嬉しくて泣きそう。なんでも言ってね。そうだわ!欲しいものとかはない? ドレス? それとも家? 別荘ならお勧めがあるのよ」

 ……泣いていらっしゃいますわ! 家ってくれるものなんですか?! スケールが違いすぎますわ。

「まぁまぁ、それは置いといて今後のことだな。一ヶ月後に婚約という事だが結婚式はいつにする? モルヴァン嬢は、いや娘になるのだからリュシエンヌちゃんだな! 学園は卒業したいよな?」

「え、えぇ。卒業したいです」

「優秀だと聞いているよ。それではリュシエンヌちゃんの卒業を待ってという事で進めたいんだが伯爵家としては何かありますか?」

 ……卒業後は結婚という令嬢が多いのだけどなんだかレイ様との結婚を意識すると恥ずかしいですわ。


「式の準備もありますから予定が決まっている方が動きやすいので、反論はございません。どうぞよろしくお願いします」

 お父様とお母様が頭を下げたので私も倣って頭を下げました。その後はなんの問題もなく話がとんとん拍子に進んで後は両親同士で仲を深めるとのことです。