「レイカーーー! 私じゃない!」と奥から大きな声が聞こえた。
「私じゃない! レイカに気に入られるためにやっただけだもん! 私の所為じゃなーーーい!」とチヅルの声は、後半部分は、ほとんど絶叫していて、耳がキーンとなる嫌な高さの声が教室中に響き渡った。
「うるさいな! 黙ってろよ。全部、お前の所為なんだよ! こんなことになってるのは。チヅ、ふざけるんじゃねえよ! 大体、動画撮ってたマリもブスのこといじめてたんじゃん。――なのになんで、その動画、拡散したんだよ」
「え、なに言ってるの? 私はいじめの証拠、撮ってただけだよ。あんたのこと嫌いだから」
「マリ、ふざけるなぁぁぁ!」
レイカが再び絶叫して、マリのほうに詰め寄った。そして、マリはレイカに胸ぐらを捕まれたあと、簡単に押し倒された。ツルハシはレイカを押さえることができず、ただ、その場に立ち尽くしていた。
「朝からうるせぇな」
低い声が教室の後ろ側から聞こえた。声のした方を見ると、カノウが教室の後ろ側のドアの前に立っていた。



