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メモに書いてあった通り、学校の近くのカフェの前に来た。木で出来た重い扉を開けて、中に入ると入り口からすぐの壁側にあるカウンター席にマリが座っていた。私はカウンターでオレンジジュースを頼み、カウンターでもらったあと、マリの隣に座った。
「座る時も無言かよ」
マリはあからさまにイラッとした声でそう言った。
「元々こういう性格だから」
「性格とか、どうでもいいけど、ビックリさせないでよ。マジで」とマリはそう言って、椅子を座り直した。私は喉が乾いていたから、オレンジジュースを一口飲んだ。
「あんたって、意外と神経図太いんだね」
「ひとりで生きてるからね」
「なにそれ。格好つけてるだけじゃん」
私にとって、人生で初めての女子同士でのカフェは殺伐としているなって思った。本当はこういうのって、仲良く、飲み物とかの写真をiPhoneで撮って、それをインスタに上げるんじゃないの? 私はインスタのアカウントすら作ってないけど。
マリを横目で見ると、いつもの整ったストレートボブから左耳が透けて見えている。マリの小ぶりな顔立ちは憧れる。普段、学校用の薄いメイクでも可愛くみえるから、レイカとチヅルと一緒にいるとたまにマリは浮いているように見える。それくらい、顔が整っているのに、なんであいつらとつるんでいるのか不思議に思える。



