「どうして、私のこと、こんなに」 「気持ちが読めないからドキッとしたんだよ」とカノウはボソッとした声でそう言った。私はその後の言葉が見つからず、そのまま黙った。波が静かに満ち引きしている音がした。 「ドキッとして好きになっちゃんだから、仕方ないじゃん。こんなの初めてだよ」 カノウはそう言いながら、右手で私の頬に触れた。 気がつくと、私の唇は柔らかく塞がれていた。