嫌いな君の気持ちが知りたい


「エリイは、どう?」とカノウに聞かれたから、少しだけ、素直になって自分の胸の中を話してみてもいいかもって思った。カノウとはもう、昨日や一昨日に比べて、少しだけお互いの本音を言いあっているような気がしたし、私も少しくらい自分のこと言わないとフェアじゃないなとも思った。

「――昔から、人が信じられないんだ。私」
「そうなんだ」とカノウはそう言ったあと、小さな声で大変だったね。と続けてそう言ったから、私は思わず左側にいるカノウのほうを見てしまった。カノウはまっすぐ前を向いたまま、海を眺めているように見えた。横顔の鼻筋がすっと通っているのが、やけに印象に残った。カノウはこっちを見てくれる様子もなかったから、カノウと同じように私は再び、前を向き、海を眺めることにした。