「――私なんかと付き合うのやめなよ。ろくなことないってこと、わかったでしょ」
「なあ、もっと素直になれよ。エリイ」とカノウはそう言ったあと、左手に持っていたスマホをバッグの中に再びしまった。そして、右手に持ったままの缶を口元まで持っていき、コーラを一口飲んだ。
「俺とエリイは付き合いました。めでたしめでたしでいいじゃん。周りなんてどうでもいいだろ」
「ねえ、日曜日から付き合ったことになってるけど、まだオッケーしてないんだけど。私」
「あれ、そうだっけ。てっきり俺たち付き合ってるのかと思ってた」とカノウはおどけた声でそう言われて、私とカノウの間で起きている問題を本当に認識しているのと疑いたくなってしまった。
「最悪」
私はボソッとした声でそう言ってあげた。少しでも私が嫌だと思っていることを感じてもらうために。



