カノウの低い声くて、大きな声が鋭く響いた。その声は教室中を反響し、この教室どころか、両隣の教室と、廊下が一気に静まり返った空気が流れているのすら感じた。チヅを見るともう泣き出しそうな顔をしている。
カノウはチヅルの手を離したあと、私の左肩をポンと叩いた。
「いくぞ」とカノウが小さい声でそう言った。
私は教科書とノート、そして写真をリュックの中に慌てて入れてチャックを閉めた。そして、立ち上がると、カノウは私の右手を繋いで、後ろの扉をの方へ歩き始めた。ようやく、教室はざわざわとし始めた。後ろでチヅルが泣いている声がする。「怖かった」とか言っている。
――勝手にほざいてろ。



