嫌いな君の気持ちが知りたい


「もういいよ。……帰るね」と私は言って立ち上がった。

「なあ、エリイ。こんな気持ち初めてだよ。人って、わかり合えないから付き合えるんだろうな。何考えてるのかわからないと予想つかない。――俺は予想された世界の中でしか、生きていけないのかもしれないってふと思ったんだ」
「――何それ」と私が言ったあと、カノウは立ち上がって、私を見た。真っ直ぐな目をしていて、カノウの視線に吸い込まれそうになった。

「つまり、今日のことは予想外だったってこと。悪かった」
「へぇ。最低」
 私は目一杯の低い声でそう言った。そして、歩き始めた。すごく、どうでもいい気分になった。