「マリが教えてくれたんだよ。チヅルが俺とエリイが抱き合っているのを見たって、レイカにバラしたって」
「――へえ」
「それで、今日、学校に来ない方がいいってマリから言われたんだ。だから、俺は忠告通り、学校を休んだ。それだけだよ」
「最低だね。――嫌いになりそう」と私は言ったあと、なぜか自分でもよくわからないけど、少しだけ後悔した。
「そうはっきり言われても仕方ないか」
「バカみたい。結局、自分の立ち位置しか、考えなかったってことでしょ。それって」
私がそう言い終わると、再び、バカみたな静寂が流れた。カノウは口は達者でも、こういう、自分の都合が悪いことが起きたら、何もしないんだと、ようやっと、得体の知れない本性がわかった気がした。



