嫌いな君の気持ちが知りたい


 お互いに無言のまま、砂浜に着いた。
 砂浜ではビーチバレーをしている人や、散歩をしている人、海に入ったサーファーがいい波が来るのをじっと待っている人、様々な人が様々なやり方で自分の世界に入っていた。私はカノウに手を引かれたまま、コンクリートでできた階段まで連れて行かれた。
 そして、カノウは階段までくると、当たり前のように階段に座った。カノウの左側に座り、海を眺めることにした。波は穏やかで、沖に出ているサーファーは退屈そうに波に揺られているのが見えた。

「なあ」
「最低なんだけど」
 私は力を込めて、カノウのことを睨んだ。すると、カノウはため息を吐いたあと、
「全部、知ってるよ」と平然と返してきたから、私は余計に腹が立った。波の音とカモメが鳴く声が、しばらくの間、私とカノウの会話をうめわせているかのように、辺りの音を支配していた。