☆
改札を抜けるとカノウがいた。
カノウは手をあげて、こちらへ近づいてきた。カノウは白のTシャツにベージュの7分丈のチノパンを履いていた。そして、黒のクロックスを履いていた。明らかに学校に行く気がない格好だ。
「エリイ。行こう」
カノウは真顔でそう言って、私の右手を繋いだ。私は拒否する暇もなく、そのままカノウに手を引かれた。明らかに私が駅の改札口から出てくるのを待っていたのかもしれない。手を繋いでも、相変わらず、カノウの心の中の声は聞こえなかった。だから、私はこれから、一体、どこに連れて行かれるのかわからなかった。



