「――エリイ?」とカノウはまた小さな声でそう言った。左側にいるカノウを見ると、カノウは不安そうな顔をしていた。 こんな、カノウの表情、同じクラスになってから、初めて見た。なんで、そんなに不安な表情するの? てか、私と付き合うことに何一つ、メリットなんてないよ。クラスでは根暗扱いだし、地味な方だし、それに人の心を勝手に聞こえてしまうし。 あ、だけど、なんで私、今日もカノウの心の中の声、聞いてないんだろう。今は、そんなこといいや。 そう、その表情はあたっているよ、だって、私はまだ――。