「大丈夫だよ。エリイ。今の俺は演じてないよ。今の気持ちはマジなやつ」 「――そうじゃなくて」 私はそう言って、咄嗟に右側を向き、カノウの顔を見た。 「そうじゃない?」 「うん。話聞いてて、ありのままでいてほしいって思った。――ただ、それだけ」 「ありがとう。優しいな、エリイって。あ、今日、初めて目が合った」とカノウはそう言って笑った。私は急に恥ずかしくなり、また前を向いた。 「顔、赤くなってるよ。かわいいね。エリイ」とカノウはそう言って、微笑んでいた。