嫌いな君の気持ちが知りたい


 だから、電車に乗っているときはそんな心の声に圧倒されてスマホをいじっていても何も頭に入らない。今も、私の近くにいる2人くらいの心の声が聞こえる。
 
 ――そういえば。

 カノウの心の声は授業中、聞いたことがなかった。まだ、席替えをしてすぐだから、偶然かもしれない。

 ――だけど。

 さっき、LINEのIDをもらったとき、わずかにカノウの手に触れた。
 人に触れるとほぼ、確実に相手の心の声が聞こえる。カノウのニヤッとした表情を思い出した。なんでやけにニヤッとしたんだろう。

 ――変なの。
 左手で握ったままのiPhoneを右手の人差し指でタップし、LINEを起動した。トーク一覧の画面には、もちろん親の名前しかなかった。