嫌いな君の気持ちが知りたい

 


 電車はいつものように大きな川にかかる橋を渡っている。河口側、海側の方から夕日が差し込み、車内はオレンジに染まっていた。電信柱の隣を電車が通過するたび、電信柱の影が車内で伸び縮みをした。私は左側のドアに寄りかかり、iPhoneをいじっている。車内は座るところはほぼ、埋まっていて、数人が私と同じように立っていた。
 
 電車は嫌いだ。
 隣にいる人の心の声が聞こえてくるから辛い。特に座ると両隣の人の声と、目の前に立っている人の声、3人分の声が聴こえてくる。だから、私は電車の中で座席に座ることはない。電車に乗っていると、みんな何かに悩んでいて、電車に乗っている時間でスマホでSNSをみたり、動画をみたりしながら悩んでいることを考えているのがわかる。