いつも側にいてくれたね



「で、夏芽。本当は何か話したいんだろ?」

何の話かってね、遥生の好きな人のことを聞きたくて遊びに来たんだけど。

直生からは絶対に聞いたことは内緒にしてって言われた手前、聞き出せないよ。

「うーーーっ」

何て言っていいか分からず自分の頭を両手で覆った。

「マジでどうしたんだよ、何かあったならちゃんと言えよ」

遥生はそう言いながら頭を覆った私の両手を降ろした。

「えっと、えっとね。その・・・あっ、さっきのさ」

「うん、さっきの、なに?」

「遥生の学校の文化祭だよ。そう、文化祭」

「うん」

「直生と行くね」

「ははっ。それさっき聞いた」

「そうだよね、さっき言ったね」

「何か俺に言い難いことでもあんの?」

私の態度が変なのかな。

遥生はお見通しだね。

もうごまかすのは止めてストレートに聞いちゃおう。

「あのね、遥生。その・・・遥生って、すっ、好きな・・・人」

「ん?」

「好き・・・な人はいる?」

私は遥生の顔を見ることができなくて、自分の抱えている膝をじっと見つめながら遥生に質問した。

「なんだよ急に。っつーか、なんでそんなこと夏芽に言わなきゃならないんだよ」

あ、やっぱり遥生には好きな人がいるんだ。

「そ、そうだよね。私には言いたくないよね。変なこと聞いちゃってごめん」

ごめんって言いながら遥生の顔を見たら、今度は遥生が私から目線を逸らした。

「じゃあ、夏芽はどうなんだよ」

遥生はさっきの私と同じように私の方を見ずに私と同じ質問を返してきた。

「えっ、私?」

「うん」

まさか逆に質問されるとは思っていなかったから答えなんて用意していない。