いつも側にいてくれたね



再度訪れる静かな時間。

やっぱり遥生の勉強が終わるまで直生のところに行ってようかな。

私がそーっと部屋を出ようと寄りかかっていたベッドから立ち上がりドアに向かって歩こうとした時、それまでパソコンの画面を見ていた遥生がこちらに振り向き、

「直生のところに行っちゃうの?」

そんな事を聞いてきた。

遥生、言い方間違ってるよ。

いつもの遥生なら『直生のところに行くのか?』が正解じゃない?

どうして『直生のところに行っちゃうの?』なの。

それって聞く方からしたら全然違う意味に取ってしまうんだけど。

「さっき遥生が直生のところに行けば、って言ったから。それに私がここにいたら気が散ってしまって邪魔でしょ?」

「もうすぐ終わる。待ってて」

遥生は私を直生のところに行かせたくないのかな、って勝手に思ってしまうよ。

私に都合のいい解釈をして一人で赤くなったりして。

パタン。

遥生は課題を終わらせてノートパソコンを閉じた。

「夏芽ごめんな。お待たせ」

「ううん、ちっとも待ってないよ。遥生は毎日頑張ってるんだね」

「だな。夏芽よりは頑張ってるかな。ははっ」

遥生はそう言って笑いながら私の隣に移動してきてくれた。