高校生になって初めての中間テストも無事に終わり、私はなんとか学年順位50番に入ったけど、直生は私と同じ時間しか勉強していないのに学年1番だった。

「直生、私に抜け駆けして勉強したでしょ。同じ時間しか勉強していないはずなのに、1番なんてずるい!」

「ははっ、ずるいってなに? もともとの頭が違うんだよなぁ、夏芽とはさ」

「もう! 次からは遥生は私だけの先生だからね。直生には貸してあげない」

「あー、その遥生だけどさ。最近自分の勉強が大変そうなんだよね。だから夏芽は自力で頑張りなよ。なんなら僕が教えてあげてもいいけど」

「遥生、大丈夫かな? やっぱりさ、進学校って大変なんだね」

「そうなんだよね。これで部活してたら遥生の時間はもっと無くなるから部活しなくて正解だったのかも」

「それで、遥生は家に帰って来てからずっと勉強してるの?」

「んー、勉強だけしてるって訳じゃなさそうなんだけどさ。部屋に入ってしまったら何しているのか分からなくてさ。夏芽もそれとなく遥生と話してみてよ」

「うん、わかった。そのうちお邪魔するね」


進学校って大変なんだな。

最近の遥生は直生ともあまり話をしないそうなの。

あんなに直生と遥生は仲が良かったのに。

遥生のことが心配だから、明日の夜に遥生の部屋に遊びに行ってみようかな。