いつも側にいてくれたね



翌日、私は急いで夕飯を済ませて湯川家へ向かう。

「こんばんは。お邪魔します」

そう声を掛けていつものように勝手に湯川家にお邪魔する。

私の声を聞いて玄関まで来てくれたのは直生ではなくて、久しぶりに会う遥生。

「わ、遥生だー! 久しぶりだね。 あれ? なんか大きくなった?」

「ばーか! そんな急に大きくならねぇよ。相変わらずだな、夏芽」

「なっ! 遥生も相変わらずだね、その感じ。頭のいい学校に入ったから少しは大人になったかと思ったのに。残念だよ、遥生」

「るせー。っつーかさ、来るの早くね? そんなに勉強したいのかよ」

「ちっ、違うよ。勉強もするけどさ。今日は遥生に久しぶりに会えると思って楽しみだったんだもん」

私が遥生に会いたかったと伝えると、遥生は私に背中を向けてしまって。

「ばっ、ばっかじゃん。いつでも会えるだろ」

そう言って先に部屋へ行ってしまった。

「もう、変な遥生。さっきは私が来るのを玄関で待っていてくれたの知ってるんだから。先に行かなくてもいいじゃん」

私はブツブツ言いながらリビングを覗くと、おばさんと直生がいたから挨拶をした。

「こんばんは。お邪魔しまーす」

おばさんが私の方を振り返って挨拶を返してくれた。

「あら、夏芽ちゃんいらっしゃい。お勉強頑張ってね」

「はーい。今日からよろしくお願いします」

湯川家のご両親は厳しいんだけど気さくな人たちだから、私は何の遠慮もなく出入りできてる。

今では進学校へ進んだ遥生にしか厳しいことを言わないみたいだし。

だからって直生が見放された訳でもないんだけどね。