極悪人の抱き枕になりました。

今は平穏に暮らせていても、いつどんな場所に連れて行かれるかわからない。
最悪、外国に売られたりして。

なんてことまで考えて強く身震いをした。


「じっとしてるから変なこと考えちゃうんだよね」


自分に言い聞かせてソファから立ち上がる。
といっても掃除はすでにしてしまったし、物が少ない部屋ではやることもほとんどない。

映画でも見ようか。
そう思ってソファに座り直したときだった。

テレビ台の下の引き出しからなにかが飛び出しているのが目に止まった。
白い紙みたいだ。

テレビ台も白いから同化して今まで気が付かなかったのだ。
夏波は何気なしに近づいて引き出しを開けてみた。

飛び出していたのは水道料金の請求書で、すでに払い込まれた後の用紙だけが残されていた。

それを引き出しの中にちゃんと戻して閉じようとしたとき、不意にブーッブーッとかすかな音が引き出しの奥から聞こえてきて手を止めた。