あたしの名前は藤堂恵凛叶。普通の高校1年生。
ベタなオープニングですいません。
入学から二ヶ月くらい経ってるけど、学校生活はまぁまぁ楽しい。
仲のいい友達もできたし入りたい部活も見つかった。
あとは恋愛かな。
あたしにも素敵な彼氏ができちゃったりして。
朝ご飯を食べながらぼんやりとそんなことを考える。
うちでは朝ごはんはカレーなんだ。
カレー食べてカレーシができますよーに。何つって。
「恵凛、もうそろそろ出る時間よ!」
「はーい!」
あたしが寒いジョークを考えているとお母さんの声が台所から聞こえた。
「雪凛、行くよ。」
歯磨きを済ませ、ソファでゲームをしている妹の雪凛葉に声を掛ける。
「ちょっと待って今いいところだから。」
妹は小学5年生。
最近の子はませていると聞くけど、
妹は明るくて社交的な性格をしたオタクの中でも希少価値の高い陽キャなオタクだ(と私は思っている)。
「先に出てるからね。」
靴を履いて家の前で待っていると、5分ほどして雪凛が出てきた。
歩きながら漫画の話で盛り上がる。
あたしも妹も少女漫画が大好きで、あたしは将来漫画家を目指している。
絵はまだまだだけど、この夢は絶対諦めたくないんだ。
喋っていると、妹の小学校に着いた。
「じゃあね。」
「バイバイ。」
校門で雪凛と別れて、あたしも自分の高校へ向かう。
ちょっと走ろうかな。
足は割と早い方。
走って10分くらいで高校に着いた。
あたしはいつも少し早めに学校に来る。
それで階段の近くにある公共スペースで勉強するんだ。
何たってあたしはおバカだからね。
中学からテストは10点台とかばっかだったしそろそろ本気でヤバいかも。
テストの点数1桁デビューしちゃったら漫画買ってもらえなくなっちゃうし。
「あっ、藤堂さんおはよう。」
「おはようございます。」
勉強していると、理科教師で教科担任の森町先生がきて、あたしの向かいの席に座った。
自分だって忙しいのに、先生はときどき採点がてら私の勉強もみてくれてとても有難い。
「先生、ここ教えてください。」
「あぁ、ここはな、、、」
「なるほど!」
15分ほど問題を解いていると、段々と登校する生徒が増えてきた。
話し声や階段を登る足音が騒がしい。
「えりぴっぴおはよ!今日も頑張ってんねぇ〜」
突然話しかけられてドキッとする。
「おはよう、英美。」
えいみん(自称)こと京 英美(ケイ エイミ)は小学校からの友達。
いろいろとテキトーなヤツだけど、一緒に絵を描いたり、漫画の話ができたりしてまぁまぁ気が合う。そして見た目は隠キャなのに中身はバリバリの陽キャという不思議な属性の持ち主だ。
彼女も私と同じく漫画家を目指している。
といっても彼女は今までは昔のフランスとかの人書いたおセンチな恋愛小説ばっか読んでて、15年間漫画とは無縁のインテリメガネだったんだけど、最近漫画にハマって私と一緒に絵の練習をしているんだ。
小学校の頃からの付き合いだと趣味まで似てきたりするもんなのかな。だとしたら気持ちが通じてるみたいでちょっとうれしい。
「あのねえり子ちゃん、あたし昨日覚醒してさ、輪郭がめっちゃうまく描けたんだよ!見て見て!」
「わぁっ!ホントだ前より上手くなってる!」
英美と教室へ歩きながら盛り上がる。あたしたちはイラスト交換日記をしてて、今週はあたしの番だ。
英美は私への呼び名が気分によってコロコロ変わる。
朝の挨拶のときはえりピッピ、お絵かきのときと恋バナのときはえり子ちゃん、マジのときは恵凛ちゃん。あとたまにちゃんえりとかえり坊とか呼ばれる。
最近は呼び方のパターンもだんだんわかるようになってきた。
どんなときも英美は笑顔で話かけてくれるし、呼び方が変わるのもどの呼び方も好きで1つには決められないからっていうのも英美らしくて面白いと思うし、あだ名っていうのも親しさの表れだと思うからどんな呼び方でもあたしは好きだなぁ。まぁ、えり坊っていうのはちょっといかがなものかと思うけど。
喋っていると1組に着いた。あたしたちはクラスが違うからここでお別れ。英美は1組であたしは2組。
「また帰りにねー。」
「うん、暇な時に遊びに行くから。」
あたしも自分の教室に向かう。
教室に入ると、いつもよりもざわざわしていた。
不思議に思っていると、中学に入ってから仲良くなった友達、美坂茉梨(ミサカマリ)ちゃんがあたしの席へ来た。
「ねぇ聞いた?なんか1組に転校生が来るらしいよ!」
「へぇ、男かな、女かな?どこから来るんだろう。」
「あたしさっき1組の先生から聞いちゃった!都会から来た男だって!名前はたしか高田とかいうらしい。」
「こんな時期にこんな田舎に転校生なんて珍しいね!」
転校生の話で盛り上がっていると、チャイムが鳴って先生が入ってきた。
あたしも慌てて席に着く。
転校生かぁ。楽しみだな。仲良くできるかな。
そうだ、明日昼休みに英美のところにいくついでにちょっと覗いちゃお。
その日は好奇心でうずうずしていたからかいつもより授業が楽しく感じた。
ベタなオープニングですいません。
入学から二ヶ月くらい経ってるけど、学校生活はまぁまぁ楽しい。
仲のいい友達もできたし入りたい部活も見つかった。
あとは恋愛かな。
あたしにも素敵な彼氏ができちゃったりして。
朝ご飯を食べながらぼんやりとそんなことを考える。
うちでは朝ごはんはカレーなんだ。
カレー食べてカレーシができますよーに。何つって。
「恵凛、もうそろそろ出る時間よ!」
「はーい!」
あたしが寒いジョークを考えているとお母さんの声が台所から聞こえた。
「雪凛、行くよ。」
歯磨きを済ませ、ソファでゲームをしている妹の雪凛葉に声を掛ける。
「ちょっと待って今いいところだから。」
妹は小学5年生。
最近の子はませていると聞くけど、
妹は明るくて社交的な性格をしたオタクの中でも希少価値の高い陽キャなオタクだ(と私は思っている)。
「先に出てるからね。」
靴を履いて家の前で待っていると、5分ほどして雪凛が出てきた。
歩きながら漫画の話で盛り上がる。
あたしも妹も少女漫画が大好きで、あたしは将来漫画家を目指している。
絵はまだまだだけど、この夢は絶対諦めたくないんだ。
喋っていると、妹の小学校に着いた。
「じゃあね。」
「バイバイ。」
校門で雪凛と別れて、あたしも自分の高校へ向かう。
ちょっと走ろうかな。
足は割と早い方。
走って10分くらいで高校に着いた。
あたしはいつも少し早めに学校に来る。
それで階段の近くにある公共スペースで勉強するんだ。
何たってあたしはおバカだからね。
中学からテストは10点台とかばっかだったしそろそろ本気でヤバいかも。
テストの点数1桁デビューしちゃったら漫画買ってもらえなくなっちゃうし。
「あっ、藤堂さんおはよう。」
「おはようございます。」
勉強していると、理科教師で教科担任の森町先生がきて、あたしの向かいの席に座った。
自分だって忙しいのに、先生はときどき採点がてら私の勉強もみてくれてとても有難い。
「先生、ここ教えてください。」
「あぁ、ここはな、、、」
「なるほど!」
15分ほど問題を解いていると、段々と登校する生徒が増えてきた。
話し声や階段を登る足音が騒がしい。
「えりぴっぴおはよ!今日も頑張ってんねぇ〜」
突然話しかけられてドキッとする。
「おはよう、英美。」
えいみん(自称)こと京 英美(ケイ エイミ)は小学校からの友達。
いろいろとテキトーなヤツだけど、一緒に絵を描いたり、漫画の話ができたりしてまぁまぁ気が合う。そして見た目は隠キャなのに中身はバリバリの陽キャという不思議な属性の持ち主だ。
彼女も私と同じく漫画家を目指している。
といっても彼女は今までは昔のフランスとかの人書いたおセンチな恋愛小説ばっか読んでて、15年間漫画とは無縁のインテリメガネだったんだけど、最近漫画にハマって私と一緒に絵の練習をしているんだ。
小学校の頃からの付き合いだと趣味まで似てきたりするもんなのかな。だとしたら気持ちが通じてるみたいでちょっとうれしい。
「あのねえり子ちゃん、あたし昨日覚醒してさ、輪郭がめっちゃうまく描けたんだよ!見て見て!」
「わぁっ!ホントだ前より上手くなってる!」
英美と教室へ歩きながら盛り上がる。あたしたちはイラスト交換日記をしてて、今週はあたしの番だ。
英美は私への呼び名が気分によってコロコロ変わる。
朝の挨拶のときはえりピッピ、お絵かきのときと恋バナのときはえり子ちゃん、マジのときは恵凛ちゃん。あとたまにちゃんえりとかえり坊とか呼ばれる。
最近は呼び方のパターンもだんだんわかるようになってきた。
どんなときも英美は笑顔で話かけてくれるし、呼び方が変わるのもどの呼び方も好きで1つには決められないからっていうのも英美らしくて面白いと思うし、あだ名っていうのも親しさの表れだと思うからどんな呼び方でもあたしは好きだなぁ。まぁ、えり坊っていうのはちょっといかがなものかと思うけど。
喋っていると1組に着いた。あたしたちはクラスが違うからここでお別れ。英美は1組であたしは2組。
「また帰りにねー。」
「うん、暇な時に遊びに行くから。」
あたしも自分の教室に向かう。
教室に入ると、いつもよりもざわざわしていた。
不思議に思っていると、中学に入ってから仲良くなった友達、美坂茉梨(ミサカマリ)ちゃんがあたしの席へ来た。
「ねぇ聞いた?なんか1組に転校生が来るらしいよ!」
「へぇ、男かな、女かな?どこから来るんだろう。」
「あたしさっき1組の先生から聞いちゃった!都会から来た男だって!名前はたしか高田とかいうらしい。」
「こんな時期にこんな田舎に転校生なんて珍しいね!」
転校生の話で盛り上がっていると、チャイムが鳴って先生が入ってきた。
あたしも慌てて席に着く。
転校生かぁ。楽しみだな。仲良くできるかな。
そうだ、明日昼休みに英美のところにいくついでにちょっと覗いちゃお。
その日は好奇心でうずうずしていたからかいつもより授業が楽しく感じた。