八月も中旬を迎え、毎日暑さにやられて少し肌も焼けてきた。


私と昴は変わらずあの展望台で会って、十年の空白を埋めるように日々を過ごしていた。




「ねえ昴。ちょっと海行こうよ!」


「海?うん、いいよ」




今日も昴と展望台のベンチに座り喋っていたけど、ふと海を見ていたら海に入りたくなり、下におりる。




「わーつっめたーい!」




靴を脱いでばしゃばしゃと海に入っていく。



ほてった体に冷たい水が染みて気持ちいい。


水着持ってくれば良かったなと少し後悔する。




「陽葵、あんまり奥行くと危ないからね」




昴が私の後を追いかけてくるが、短パンの私と違って昴は制服だから濡れないように浅瀬のところで止まっている。




「昴ー!手、出して!」


「え?こう?」




昴のいる浅瀬まで戻り、伸ばされた手をぐいっと引っ張る。




「え、うわあ!」