「何してるの?」


「私は、昼寝してたら夢に昴が出てきて、昴に会いたくなっちゃって。なんとなくここにいる気がしたから来てみたら、本当にいた」




普段だったら、会いたくなったから来た、なんて恥ずかしいことはもう言えない年頃だけど、昴の前だとなぜか素直に言葉が出てくる。


昴には、嘘をつきたくない。




「あはは、夢に俺が?陽葵にはやっぱり俺のことなんてなんでもお見通しなんだね」


「昴は何してたの?」


「俺は、なんとなく星が見たくなって。ここが一番よく綺麗に見えるから。それで、あまりにも綺麗な星空だから陽葵にも見せてあげたいなーって思ってたら、本当に陽葵が来たからびっくりした」




昴の隣に座ったタイミングで優しく微笑まれ、危うく落っこちそうになる。


昴はこういうことを昔からさらりと言ってしまうから怖い。本当なのかすらもわからないし。




「あのさ、昴」


「ん?」




どうして約束したのにあれから昴はここに来てくれなかったの?どうして今になってここに来たの?


聞きたいことは何一つ聞けず、曖昧に笑って誤魔化す。



昴ともう一度会えた。今はそれだけでいいと思ったんだ。