自信満々にそう答える芹那ちゃん。


「それに、あのメッセージカード!鈴ちゃんの字だったもん!」


これといった言い訳も思いつかなくて、わたしは目が点になったままその場に固まってしまった。


わたしだと確信している芹那ちゃんには――。

…これ以上、下手な嘘はつけそうにない。


「でも、びっくりしちゃった!鈴ちゃんは、どうやって怪盗ベルに――」

「わわわわわ…!!芹那ちゃん、ちょっとこっちにきて…!」


わたしは芹那ちゃんの手首をつかむと、教室から廊下へと連れだした。

あのままでは、クラスメイトのだれかに聞かれて、大事になっていたかもしれないから。


わたしは、人気のない校舎の隅に芹那ちゃんを連れてきた。

そして、芹那ちゃんのほうへ向き直る。


「あ…あの、その…。わたしが怪盗ベルだってことは…、えっと…周りには……」