「最近、ベルの話聞かないね」

「「ね〜」」


お昼休み。

クラスの女の子たちがそんな話をしているのが聞こえた。


ここ1ヶ月ほどは、怪盗ベルになっていない。

というのも、これといった仕事がないから。


仕事というのも、べつに盗んでほしいものを自ら募集しているわけではない。

学校での友達同士の会話や、街で耳にした噂を頼りにして、怪盗ベルでしか解決できないと悠と判断したときだけベルとして仕事をする。


しかも、ネットではだれが作ったのかわからないけど、『怪盗ベルのお願いコーナー』というサイトができあがっていた。

そこには、ベルにお願いしたい依頼が自由に書き込まれている。


それらを参考に、わたしと悠もここから困っている人を探したりする。

実は、意外と役に立っているこのサイト。