新しい年を迎えた。

おせち料理やお餅を食べて、お正月をたっぷりと堪能しながら、わたしは残り少ない冬休みを満喫していた。


家族で初詣に行って、手を合わせる。


今年も怪盗ベルの活躍で、困っている人が救われますように。


そう願いを込めて。


――しかし。

新学期の学校は、とある話題でもちきりだった。


「ほんと、ありえないよね」

「急にどうしちゃったんだろう…。前まではそんなことなかったのに」

「普通に幻滅したー」


教室に入ると、クラスメイトたちのそんな会話が聞こえてきた。


「おはよう。みんな、なんの話してたの?」


わたしは自分の席にランドセルを置くと、隣の席の女の子に話しかけた。


「鈴ちゃん、おはよー。見た?昨日の動画」

「…動画?」

「なんか、怪盗ベルが――」