光井くんの腕をつかんでいるのは、光井くんの悪口を言っていたあの6年生の3人組のうちの2人。

あとの1人は、光井くんの目の前でニヤリと口角を上げて笑っている。


その手には、黒いかたまり――。

なんとそれは、光井くんの大事な一眼レフカメラだった!


「…離せっ!」


抵抗する光井くん。

だけど、体格のいい6年生2人の力にかなうはずもない。


「おいおい。オレたち、お前よりも年上だぞ?『離せ』じゃなくて『離してください』だろ?」


そう言って、ケラケラと笑う3人組。


「…うるせぇ!お前たち、俺になんの用だ!?」

「べつに用ってほどじゃねぇよ。ただ、お前が学校でウザいだけ」

「そうそう!女子からキャーキャー言われて、喜んでんじゃねーよ!」

「なにが人気ユーチューバーだよっ。調子にのってんじゃねぇ!」