この日、私は衝撃の事実を聞かされることになりました。

「美香、話があるの。」

お母さんが真剣な顔でそう言ってきました。

「何?」

「実はね…。」

「どうしたの?」

お母さんの顔があまりにも深刻そうなので私は不安になりました。

「実は美香には…お兄ちゃんがいたのよ…。」

そのとき私はお母さんの言っている意味が分かりませんでした。

「…どういう意味?」

「あなたのお兄ちゃんの名前は祐司よ。」

そう言ってお母さんは1つの写真を見せました。

「…これ…。」

私は言葉を失いました。そこに写っていたのは幼い頃の私と今でもずっと会っている祐司だったのです。

「美香が驚くのは当たり前だわ。…でもお兄ちゃんがいたのは本当よ。祐司と美香はいつも一緒に遊んでたのよ。桜公園で遊ぶのが好きだったわね…。」

「でも…私にはお兄ちゃんなんていた記憶ないよ。冗談でしょ…?」

私は信じられませんでした。あなたが私のお兄ちゃんなんて…。

「美香は9年前、記憶をなくしたのよ…。」

「…えっ?」

「事故に遭ったの…。でもこうして美香がここにいるのは祐司のおかげなのよ…。祐司は車にひかれそうになっている美香を守ったの…。自分を犠牲にして…。」

うそ…うそうそ…。

私は心の中でそう叫んでいました。そして足は勝手にあなたのいる公園へと向かっていました。

あなたは一体誰なの…?