「俺……実は麗香のことが本気で好きだったんだ」
なにを今さら、と心の中でつぶやきながら聞き流しておく。私が鈍くて気づいていないとでも思っていたのだろうか。
「もしかしたら、俺が次に惚れる女は情に厚いお前かもしれないな」
「意味深なこと言わないで」
冗談なのか本気なのかわからなくて、隣に並ぶ相楽くんの顔をうかがう。
だけど彼は私のほうへチラリと視線を寄こしたあと、すぐにまた花火に心を奪われていた。
「私もね、失恋したばっかりなんだ」
「は? 誰に?」
「内緒」
爽やか王子様の相楽くんが本当に好きだったのだと口にしそうになったが、寸でのところで言うのをやめた。
「あれは作ったキャラなのに本気で惚れてたのか」と、きっと呆れながら笑われるから。
私は私で今日限り、相楽くんに対する気持ちに蓋をして昇華させよう。もう報われない恋はしたくない。
改めて本来の相楽くんを好きになって、万が一付き合えたとしても、麗香さんのように愛されるとは限らない。
幸せな未来などない、振り回されるだけだ、と私の頭の中で警鐘が鳴っている。だから今はこれ以上、彼に近づかないと決めた。
いつの日か本当に、私が好きだったやさしくて爽やかな相楽くんになってくれたらいいのに。
それならまた、全力で彼に思いを寄せるかも。
ビルの隙間から空を明るく照らす花火を見つつ、期待はしないでおこうと小さくかぶりを振った。
――――END.
なにを今さら、と心の中でつぶやきながら聞き流しておく。私が鈍くて気づいていないとでも思っていたのだろうか。
「もしかしたら、俺が次に惚れる女は情に厚いお前かもしれないな」
「意味深なこと言わないで」
冗談なのか本気なのかわからなくて、隣に並ぶ相楽くんの顔をうかがう。
だけど彼は私のほうへチラリと視線を寄こしたあと、すぐにまた花火に心を奪われていた。
「私もね、失恋したばっかりなんだ」
「は? 誰に?」
「内緒」
爽やか王子様の相楽くんが本当に好きだったのだと口にしそうになったが、寸でのところで言うのをやめた。
「あれは作ったキャラなのに本気で惚れてたのか」と、きっと呆れながら笑われるから。
私は私で今日限り、相楽くんに対する気持ちに蓋をして昇華させよう。もう報われない恋はしたくない。
改めて本来の相楽くんを好きになって、万が一付き合えたとしても、麗香さんのように愛されるとは限らない。
幸せな未来などない、振り回されるだけだ、と私の頭の中で警鐘が鳴っている。だから今はこれ以上、彼に近づかないと決めた。
いつの日か本当に、私が好きだったやさしくて爽やかな相楽くんになってくれたらいいのに。
それならまた、全力で彼に思いを寄せるかも。
ビルの隙間から空を明るく照らす花火を見つつ、期待はしないでおこうと小さくかぶりを振った。
――――END.



