忘れられない夏がすぐそこに。



ちょっと移動するよと言われて連れて来られたのは、徒歩10分くらいの光希くんの家だった。


とりあえず座っててと言われ、アイスコーヒーを出してくれた。


二人掛けのソファに並んで座ると、カランッとアイスコーヒーの氷の音が鳴った。


「泣いて喉乾いただろ、飲んで」

「うん・・・ありがとう」


ゴクっと一口喉に通した。


「・・・・・・抱きしめていいですか」


コップをテーブルに置くと光希くんが言った。


「だめって、言ったら?」

「・・・・・・・・・無理」


そう言ってぎゅっと抱き寄せられる。


「・・・・・・実里がいる。夢じゃねぇ?」

「うん。夢じゃないよ。夢だったら私も嫌だ」

「・・・・・・じゃあ、もっと実感させて」


その声に顔を上げると、熱の籠った瞳に捉えられて・・・


私たちの距離は0になった。


何度も優しく啄むように、甘いキスが降ってくる。


どうしようもなく幸せで、胸が高鳴って、心が震えて・・・涙が頬を伝った。