麻里佳さんはそう言ってころころ笑う。愛らしい人だ。
赤ん坊ふたりは長座布団にごろりと仰向けに寝かせた。ふたりともお互いの存在を首をねじって見るものの、よくわかっていない様子だった。ぱたぱたと手足を振り回したり、おもちゃをかじったりしている。
麻里佳さんは母乳が詰まりやすいと聞いていたので、お茶菓子に乳脂肪分なしのスイートポテトを作っておいた。麻里佳さんはすごく喜んでくれた。そして、お土産だと有名な茶房のほうじ茶セットを渡された。
「あらためて、都子さん。この度は本当にご迷惑をおかけしました」
向かい合うなり、麻里佳さんが頭を下げて、私は慌ててしまった。
「いえ、謝られるようなことは何も」
「私が要さんとの婚約を解消しないうちに妊娠してしまったのがこじれた原因です」
要さんは気づかわしげな表情で言う。
「妊娠することで両親を強引に説得するつもりだったんだろ?」
「ええ、勝手かもしれないけれど、赤ちゃんを作って強引に仲を認めさせようとしたんです。だけど、両親は絶対に要さんの子だと言って、私の話を聞かないばかりか、家に閉じ込めるようになってしまったの。外出にも必ずお目付け役がついて」
成人した娘にそこまで干渉するなんて、少しおかしいのではないだろうか。
そう思いながら、麻里佳さんの両親でもあるので言えない。
赤ん坊ふたりは長座布団にごろりと仰向けに寝かせた。ふたりともお互いの存在を首をねじって見るものの、よくわかっていない様子だった。ぱたぱたと手足を振り回したり、おもちゃをかじったりしている。
麻里佳さんは母乳が詰まりやすいと聞いていたので、お茶菓子に乳脂肪分なしのスイートポテトを作っておいた。麻里佳さんはすごく喜んでくれた。そして、お土産だと有名な茶房のほうじ茶セットを渡された。
「あらためて、都子さん。この度は本当にご迷惑をおかけしました」
向かい合うなり、麻里佳さんが頭を下げて、私は慌ててしまった。
「いえ、謝られるようなことは何も」
「私が要さんとの婚約を解消しないうちに妊娠してしまったのがこじれた原因です」
要さんは気づかわしげな表情で言う。
「妊娠することで両親を強引に説得するつもりだったんだろ?」
「ええ、勝手かもしれないけれど、赤ちゃんを作って強引に仲を認めさせようとしたんです。だけど、両親は絶対に要さんの子だと言って、私の話を聞かないばかりか、家に閉じ込めるようになってしまったの。外出にも必ずお目付け役がついて」
成人した娘にそこまで干渉するなんて、少しおかしいのではないだろうか。
そう思いながら、麻里佳さんの両親でもあるので言えない。



