敏腕社長との秘密の身ごもり一夜~身を引くはずが、迎えにきた御曹司に赤ちゃんごと溺愛されました~

押し切られる形で私は要さんに調乳の仕方を教えた。げっぷの出し方は慣れるまでは難しいので、大地が眠ってしまったら無理しなくていいと伝える。

「さあ、都子は寝ろ」

その晩二回、要さんが調乳から哺乳瓶を使って授乳、寝かしつけまでを担当してくれた。
ぐずってばかりでミルクを飲まないときは、ひたすらに抱っこで揺らして眠らせたと朝に聞いた。根気のいる慣れない作業を、頑張ってこなしてくれたのには頭が下がる。おかげで私は久しぶりに連続で眠ることができたのだった。



翌日、要さんは一メートルほどの箱を抱えて帰ってきた。

「それは?」
「もう少しでクリスマスだから用意した。大地にはまだわからないだろうけれど、写真を残しておきたくて」

箱の中身はクリスマスツリーだった。組み立てるとツリーは百五十センチにもなる。結構大きい。

「要さん、ちょっとはしゃぎすぎですよ」

オーナメントを飾りながら、さすがに私は笑いをこらえきれない。彼の行動や言葉のすべてが私と大地を肯定し、喜んでいるのが伝わってくるのだ。

「自分でも浮かれてるのがわかるから、何も言えない」

そう言って眉間にしわを寄せた要さんは、大地を抱き上げた。

「クリスマスツリーだ。ぴかぴか光るぞ」