「み、見てません」
「嘘バレバレなんだけど」
あは、ですよねー……。
「……てか、なぎささ」
「へ?」
至近距離で聖里くんの声を聞いて、顔に熱が集まる。
まって、これ耐えられないかも。
「俺のこと、男として意識してないでしょ」
「え」
意識……も、なにも。
聖里くんは男の子だし、それなりにドキドキしちゃってますが……?
「同級生の男子が同じベッドで寝てるんだよ? なんでそんな冷静なわけ」
いや。
めちゃくちゃ動揺してるの、気づかれてない……?
「無防備に、俺の顔触りまくってたのはどこの誰?」
「……」
返す言葉もございません。
だって、あまりに綺麗で、好奇心には勝てなかったんだもん。
「だめだった……?」
「っ……はあ、わかっててやってる?」
やってる、ってなにを?
頭の中でぐるぐる考えてみても答えは出なかったので、正直に「なにを?」って聞いてみた。
「……おっけー、無意識ね。いちばん厄介だわ」
「え?」
厄介? わたしって厄介なの?
いや……人に迷惑ばかりかけているという点では否定しないけどさ。
今の場面で、そんな風に言われるようなことしたかなあ。



