【完】聖里くんの甘すぎる溺愛に耐えられない。






「ふ、芙実ちゃんっ……これなに!?」





周りがさっそく別の話題で盛り上がってるときにさりげなく芙実ちゃんに助けを求める。
なにも聞かされずこの輪の中に放り込まれたわたしの気持ちもわかってよ……!?




「なにって、合コンだよ! ご、う、こ、ん」


「……合コン?」


「いくら恋愛に疎いなぎちゃんでも名前くらいは知ってるでしょ?」


「そ、そりゃまあ……」




でもさすがに、わたしが合コンに参加する羽目になるとは思ってないからね……?
ていうか芙実ちゃん、松野くんのことは……。




まああの芙実ちゃんが諦めてるわけないし、また適当な男の子で恋愛欲求を消化しようとしてるのかな。




……それはそうと、帰りたい……。




「凪咲ちゃん、だっけ」


「……は、はい」





うわあ。
いきなり名前で呼んでくる人、苦手……。
どう見てもチャラいし、香水キツ……。





「暗い顔してどうしたの? おなかすいてない?」


「や、そんなことは……」





楽しくないだけです。
この空気が好きじゃなくて食欲湧かないだけです。
放っておいてください……!



……ともいえるわけなく。