ーーぱち、ぱち。





重たい瞼を開けると、外はもう赤くなっていた。
何時間眠ってたんだろう。寝すぎて頭が痛いくらいで、他の症状は全部よくなっていた。




窓から視線をずらすと、




「……ひじりくん」



聖里くんが、わたしのベッドに顔を伏せて寝ていた。
あれ……学校は……?
もう終わった、のかな。




起き上がって聖里くんの頭を見下ろし、気が付けば無意識に頭を撫でていた。
心配でずっと見ててくれたんだろうか。
……申し訳ないけど、うれしい。



今までそんな経験なかったから。





「……ん」





あ、起こしちゃったかも。
慌てて手を離せば、聖里くんがゆっくり頭を上げた。
……く、寝起きでもイケメンってどういうこと……。




「あ、起きてたの、なぎさ」


「うん」


「熱は……」





と言いながらわたしのおでこに手を当ててくる。
ひんやりしてて気持ちいいけど、すぐそういうことする……!





「ないね。よかった……」


「ひじりくん、学校行った?」


「……休んだ」





やっぱり……。
なんでわたしなんかのために休んじゃうかなあ。
絶対学校で『榛名くん学校休みらしい』って軽く騒ぎになってるよ。





「なぎさを一人にできなかった」


「……もう、なんでわたしなんかのためにそこまでするの?」





口をとがらせる聖里くん、ちょっとレアかも。
だけどここまでしろって頼んだ覚えはないから、ちゃんと怒らなきゃな。