【完】聖里くんの甘すぎる溺愛に耐えられない。






「もしかして俺、超警戒されてる感じ?」


「……うん」


「変なことしないって! 聖里にしばかれたくないし」





どうしてそこで聖里くんの名前が出てくるのかはわからないけれど。
わたしは少しだけ体の力を抜いて松野くんと向き合う。





「松野くんが一人なんて珍しいね。いつもの取り巻きは?」


「なにそれ、嫌味? ぜーんぶ聖里に押し付けてきたよ」


「結構酷いんだね……」


「いやいや! 愛だろっ、さすがに」






どこらへんが愛なのか説明できるのかな。
まあ、でも確かに……。



松野くんはいつも聖里くんと一緒に行動していて、まさにニコイチ。
周りには常に取り巻きがいてなんとか二人と会話しようと毎日奮闘している、のが教室からでも見える。





「てかさ、一緒に住み始めたんだろ? 聖里と」


「……」





言ったんだ。
聖里くんにとって、松野くんはそれだけ信頼が厚いってことなんだな。



わたしだって芙実ちゃんのことは信じてるけど……でも、どんな反応をされるか怖くてそんな簡単には言えない。
これが男女の価値観の違い、なのかなあ。





「そんなに隠したい?」


「え……そりゃ、まあ。学校でくらい穏やかにすごしたいから」


「でも今日のアレでもう平穏にっていうのは無理なんじゃない?」





そうだった……。
スポドリ間接キス事件のおかげで、わたしはいま人生最大の注目の的になってるんだった。