女子に囲まれて困っているらしい、試合終わりの二大巨頭を眺めていたら、聖里くんと目が合った気がした。
……本当に、気がしただけ?
いつも目が合ってもすぐ逸らされていたのに、今回はなぜかじっと見つめてくるんだけど。
考えても答えなんか出なかったので、わたしは思考を放棄して負けじと見つめ返す。
……あ、逸らされた。
なによ。
そっちから見てきたのに、こっちが見つめ返したら耐えれなくなって逸らすなんて。
そのあとで、見つめあってたの芙実ちゃんにバレたかなって思って横を見たけど、当の本人は松野くん一直線に熱い目線を送っていて、気づいてそうもなかったので一安心。
「……えっ」
隣で芙実ちゃんが声をあげた。
びっくりしてあたりを見回すと……。
「……え、聖里くん……」
芙実ちゃんにも聞こえないような声で名前を呼んだ。
だって、こちらに向かってゆっくり歩いてきているのは紛れもなく聖里くん本人。
……な、なんで?
学校では話さないって約束じゃ……。
聖里くんはわたしの前にしゃがんで、綺麗な髪を揺らした。



