【完】聖里くんの甘すぎる溺愛に耐えられない。





「はあ、松野くんが運動してるところ見れるなんて夢みたい」


「あ、そっか、松野くんも五組だもんね」


「うん! ……”も”? もって、誰のこと想像してた?」






……折田凪咲、最大の失言。
これでもかっていうくらいの冷や汗を垂らしながら目が泳いでしまう。





「誰でもない、咄嗟に口から出ちゃっただけ」


「……ふうん?」





まるで信じてないような、疑って仕方ないというような目線から顔をそむけた。
なんでもないです、本当に。
榛名聖里くん? ナニソレかかわったこともないです。






「ま、いーけど。はやめに食べて着替えに行こー」


「うん」






諦めてくれて助かった。
さすがの芙実ちゃんでも、わたしがこれ以上探られたくないっていうのは察してくれたみたい。



芙実ちゃんに対して、いつまで隠し通せるかなあ……。
どうせ一週間後とかには自分の口から報告してるんだろうけど、変なところ勘が鋭いから、その前にバレそうだなあ。





いくら相手が芙実ちゃんでも、軽く口に出せないくらい、今回の出来事はわたしにとって大事だからね。




あの超がつくほど人気者な聖里くんと一つ屋根の下暮らしてます、なんて。
いつ誰の恨みを買ってもおかしくないんだから。