【完】聖里くんの甘すぎる溺愛に耐えられない。







「はーっ、やばい」





盛大なため息と興奮したように上ずった声。
机の上でぐっと伸びをした芙実ちゃんが口角を上げてにやにやしている。





「なに、どうしたの。また松野くん?」


「うん、てか、やばいの」


「数秒前に聞いたよ、同じ言葉」




語彙力の消失を目の当たりにしている……。
芙実ちゃんってほんと、松野くんのこと話すときが一番テンションあがってるよね。




「昨日あのあとね、松野くんとご飯行っちゃった……」


「え、そうなの? 誘われた?」


「いや、約束とかはしてなかったんだけど、駅前でばったり会って……珍しく一人でいたから声かけたら、おなかすいたからご飯付き合ってっていわれて」






わたしがバタバタしているうちに、すごく進展している気がする……。
ていうか、やっぱりそうじゃん。
松野くんってガード堅いって聞くもん。



興味ない女の子とふたりでご飯とか絶対ありえないって。





「えー、よかったねえ」


「うんっ、いっぱい喋れた」





うれしそう、だなあ。
恋してる芙実ちゃんはいつだって一番可愛い。
芙実ちゃんほど黒髪ボブが似合う子はいないって豪語できる。