「彼女はなぎちゃんなのに、前途多難だねえ、ほんと」
「……はあ」
こんなのでやきもち妬いて泣きそうになってるの、心狭いのかな。
聖里くんがモテるのなんて今に始まったことじゃないし……でも。
「榛名くんっ」
「わたしのももらってー!」
あー。
聞いてたら心が病みそう。
もう寝ようかな。
……わたし、本当に彼女なんだよね?
結局、学校では他の女子の手によって引き裂かれてまともに会話できてないし、今も他の女子にチョコもらってるのを見てるだけ。
もう、バレンタインなんて嫌い。
なくなっちゃえばいいのに。
「昨日はあんなに張り切ってたのに」
「……もう聖里くんなんてしらないっ」
昨日……。
そうだよね、準備してる段階は楽しかったなあ。