って言葉を漏らして、聖里くんの柔らかいくちびるが降ってきた。
最初はおでこ、次に頬、それからくちびる……。
優しく愛でるような暖かいキスに、心臓が痛いくらい音を立てて、聖里くんのことが好きだと騒いでいる。
「んっ……ふ、」
「……かわい」
な、なんかこれ、恥ずかしくてたえられないんですけど……!
世のカップルは、みんなこんなこと平気でしてるの……?
「ね、なぎさは、俺がはじめての彼氏?」
「え? ……うん」
「……うれしい。なぎさが、俺以外の男を知らなくてよかった」
何を言っておるんですか……。
うん。だからね、知らなかった。
恋人同士のキスがこんなにも暖かくて、ハグはあんなにも落ち着くってこと。
「……でも、ひじりくんにとってのはじめての彼女になれなかった」
出会う順番が違っただけ。
そうは思っても、聖里くんモテるから、彼女の一人や二人いただろうし、それを思うと胸がいたくなる。