「……ひじり、くんは?」
分かってるけど、わざと聞いてみた。
今までたくさんやきもち妬かせられたから、ちょっとくらい意地悪許してね。
腕に抱かれたまま見上げたら、顔を赤く染めた聖里くんに逸らされた。
「っ……そんな顔で見つめてくんの、反則」
あ。
心臓の音、はやくなった。
……聖里くん、かわいー。
「俺のほうが、ずっとずっと好きだよ。……なぎさじゃ想像もつかないくらい」
本当かな?
わたしだって、負けないくらい好きだけど。
……でも、間違いなく聖里くんのほうが先に好きになっていてくれたんだもんね。
「もう絶対離さないから」
「……うん」
離さないでね?
今日は、なんでもない平日に記念日が生まれた日。
……聖里くん、大好き。
これから、いっぱいいっぱい伝えていくから、覚悟しててね?



