「……難しいこと聞くね」
「だって……信じられなくて」
そう。信じられない。
あの榛名聖里が、わたしなんかのことを?
視界に入れて、しかも気に留めてくれただけでも奇跡なのに、まさか恋心を抱いてくれちゃうなんて。
何かの間違い?
でも間違いであってほしくないなあって。
何回も、何回も葛藤した。
「じゃ、じゃあ……どこが、好きなの?」
意味もない質問を繰り返して、返事をしなきゃならない義務感からひたすら逃れてる。
ずるい女。
本当は、胸張ってわたしがこの人の彼女ですって言いたいけど……。
「うーん。じゃあ、なぎさはさ。ココア好きでしょ?」
「え? うん……」
「ココアのどこが好きか聞かれて、なんて答える?」
急に何の話?
戸惑いながら、「甘いから、って言うかな……」とつぶやく。



